紅茶とともに軽食やデザートを楽しむことができるアフタヌーンティー。
特にホテルやカフェで提供されるアフタヌーンティーは人気があります。
この洗練された時間は、カラフルなスイーツや美しいテーブルウェアが魅力的で、多くの場所で提供されるようになりました。
しかし、アフタヌーンティーを初めて体験する方には、服装や食事のマナー、料理の進め方、紅茶の選び方など、知っておきたいポイントがたくさんあります。
この記事では、アフタヌーンティーの楽しみ方や基本的なマナー、そしてその背景と歴史について解説しています。
アフタヌーンティー:貴族の休憩時間から始まったエレガントな物語
アフタヌーンティーのエレガントなイメージは、19世紀ヴィクトリア時代のイギリス、食事の間隔が長い中で貴族の小腹を満たす習慣から始まりました。
第7代ベッドフォード公の妻、アンナ・マリアが、朝のブランチと夜のディナーの間に軽食を取るようになったのが起源とされています。
当時、貴族は一日に2回の食事を摂ることが多く、朝食後は夜の8時ごろまで何も食べないのが一般的でした。
これにより、長時間空腹を感じることが普通でした。
アンナ・マリアは、この空腹を解消するため、午後2時から4時の間に自分の部屋でこっそりとパンやお菓子を紅茶と共に楽しむようになりました。
この秘密の時間が次第に友人を招く機会となり、やがては洗練されたティーセットや華やかな食器でティータイムを楽しむことが流行しました。
こうしてアフタヌーンティーは社交の場として重要な役割を果たすようになり、その習慣は高級社会で広まりました。
アフタヌーンティーは元々上流階級のものでしたが、その本質は周りを気遣い共に時間を楽しむためのものです。
アフタヌーンティーの基本マナー
アフタヌーンティーでの振る舞いや服装のマナーを解説します。
服装とドレスコードの重要性
アフタヌーンティーを楽しむ際は、ラフな服装やカジュアルすぎるアイテムを避けることが望ましいです。
適切な服装を選ぶことは、他の人への配慮を示し、素敵なティータイムを楽しむための第一歩です。
服装選びのポイント
- 派手な装飾や露出度の高い服は控えめに
- 普段着よりも少し格上げした服装を心がける
特別なドレスや慣れないスーツを準備する必要はありませんが、場合によっては特定のドレスコードが設けられていることもあるため、訪れる前には必ず確認しましょう。
お店のルールを尊重する
アフタヌーンティーを提供するホテルやカフェには、利用時間や必要人数など、店舗ごとに定められたルールが存在します。
これらのルールに従うことは、快適なティータイムを過ごすためのマナーです。
可能であれば予約してから訪れることをお勧めします。
礼儀正しく振る舞う
アフタヌーンティーでは、大声で話したり、笑い声が大きくなりすぎたり、他人の悪口を言ったりするのは避けましょう。
また、食器に興味がある場合は、勝手に動かすのではなくスタッフに許可を求めることが適切です。
★写真撮影の際も、カップの位置を少し調整する程度に留め、大きな移動は控えましょう。
ソファ席などでは、カップとソーサーを一緒に持ち上げるとより洗練された印象を与えることができます。
アフタヌーンティーの食べ方:順番は自由に楽しもう!
アフタヌーンティーで目を引くのが、様々な食べ物が積み重ねられた「3段スタンド」です。
このユニークなプレゼンテーションは、アフタヌーンティーの魅力のひとつと言えるでしょう。
ホテルやカフェによって異なる場合もありますが、通常の3段スタンドの配置は次の通りです
- 最下段:サンドイッチ
- 中段:スコーン
- 最上段:スイーツ
一般的には、塩味のサンドイッチから始めて、次にスコーン、そして甘いスイーツという順番で食べることが推奨されています。
ただし、スコーンにジャムやクリームをたっぷりと付け加えた後に甘いデザートを続けると、甘さが増してしまうことがあります。
その場合は、サンドイッチを挟むことで味のバランスを取り、再びスイーツを楽しむことができるでしょう。
ですが、食べる順番は最終的には自由です。
自分の好みに合わせて、美味しく楽しく食事を進めてください。
また、食べ方に関してもリラックスして取り組んでください。
サンドイッチやスコーンは手で持って食べることができ、ケーキなどのデザートは、ミニトングやナイフとフォークを使って食べるのが良いでしょう。
マナーを守るために、食べ物を3段スタンドから直接口に運ぶのではなく、まずは自分のプレートに取ってから食べましょう。
スコーンの美味しい食べ方
アフタヌーンティーで提供されるスコーンは、温かい状態で食べると特に美味しいです。
多くのお店で焼きたてのスコーンが提供され、その香りと食感は格別。
外側はサクッとしていて、中はふんわり柔らかく、このために紅茶を飲むと言われるほど、イギリスでは人気です。
焼きたてのものはもちろん、常温や冷めた状態でも美味しいですが、一度は焼きたてを体験することをおすすめします。
スコーンには通常、ジャムやクロテッドクリームが添えられており、これらを塗ることで、やや乾いた食感がマイルドでしっとりした味わいに変わります。
スコーンの正しい食べ方とエチケット
スコーンは、中央の自然な割れ目から手で横に割り開くのが基本です。
割ったスコーンには、カトラリーを使ってジャムとクロテッドクリームを塗ります。
ポイント
- スコーンが手でうまく割れない場合はカトラリーを使っても構いませんが、英国では手で割るのが伝統です
- ジャムやクリームを共有する場合は、まず自分の皿に取り分けてから使うのがマナーです
- ジャムとクリームの塗る順番については、地域によって意見が分かれますが、どちらを先に塗っても自由です
ジャムとクリームをたっぷりと使って、自分なりの味のバランスを見つけて楽しんでください。
紅茶の魅力を存分に楽しむ絶好の機会
アフタヌーンティーはスイーツが主役となることが多いですが、紅茶を楽しむことも忘れてはいけません。
多様な種類の紅茶を自由に選んで試せる素晴らしいチャンスがここにあります。
おかわり自由なお店も多く、普段は選ばない種類の紅茶にも挑戦してみてください。
提供される紅茶は店舗によって異なりますが、特におすすめしたいのは「ノンフレーバーティー」です。
これは香料を加えていない純粋な紅茶で、さまざまな食事や他の食品との相性を楽しむのに最適です。
例えば、フレーバーが強いアールグレイはスイーツと合わせるのが難しいことがあります。
一方でノンフレーバーティーはどんな食材ともよく合うため、食事全般におすすめです。
紅茶とフードのおすすめペアリングをいくつか紹介します:
- ダージリン:和菓子と非常に良く合います。和風のテーマのある店舗では特におすすめです
- アッサム:さまざまなスイーツとの相性が抜群です
- ニルギリ:柑橘類やフルーツと組み合わせると良いでしょう
- ウバ:チョコレートと特に相性が良いです
- キームン:チーズと一緒に楽しむのがおすすめ
- ディンブラ:焼き菓子全般とよく合います
- キャンディ:より食事向きのペアリングが楽しめます
紅茶をストレートで味わった後にミルクを加えて異なる味わいを楽しむのも一興です。
さまざまな紅茶を試して、自分だけのお気に入りの組み合わせを見つけてください。
【まとめ】
貴族の間で始まった紅茶の風習「アフタヌーンティー」は、基本的なエチケットを忘れずに、食事と紅茶の時間を心ゆくまで楽しむことが大切です。
友人とのおしゃべりや自分へのご褒美として、日常を離れて贅沢な時間を過ごすのはとても素晴らしいことです。
アフタヌーンティーで、あなただけの特別な体験を楽しんでください!